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MBAという旅の終焉(3/3) ー最終回

「MBAには意味があるか?」
雑誌なんかでもよく書いてあるこの問い。
最後にこれに答えてみたい。



答えは「人による」である。



MBAは旅に似ている。


旅に出る。
旅先にある有名な世界遺産。
その場所を訪れる人が必ず寄るだろう。


しかし、それは旅の構成要素の一部だと思う。


過ごし方———誰と過ごすかだったり、のんびりするのか急いで周遊するかだったり、移動の過ごし方だったり等によって旅は変わってくるし、


目的———食の旅なのか、ショッピングの旅なのか、はたまた傷心を癒すための旅行なのかによっても旅は変わってくる。



旅の楽しみ方、満足度も人によって全く違う。
価値は主観で決まる。


世界遺産を見て「ああ綺麗だ」で終わるのか、「この建築様式は自分のビジネスのヒントになりそうだ」と学ぶのかなど、視点も人それぞれ。



上の例で言う世界遺産は、MBAの必修クラスの授業くらいではないか。
MBA全体の価値のほんの一部であるし、しかも受け取り方は人それぞれ。
加えて、残りの価値は、自分がどうこの生活を設計し、どう見て、どう感じたかによる。



それらの要素への配慮なしに「MBAには意味がある」「意味がない」と結論を出そうとする議論には相当な違和感がある。



また、投資額とMBA前後の報酬変動額の相対比較だけでMBAを語る議論も好きではない。

出会う友人やイベント全てが将来の給与に直結しなくてはならないと信じるなら、その人は寂しい人だと思う。
仮にその議論を続けるとしても、「投資リターン超過となるように自分で工夫すればいいのでは?」と単純に思う。


Western Worldの場合、MBAは一流企業や幹部昇格の必要条件のように捉えられている。
(もちろん全員じゃないけど)彼らにとって得る価値、目的はけっこうシンプルで、それならまだ理解できる。


しかし必ずしもそういう場合でない環境なら、議論を変にシンプルにしすぎない方がよい。






この最終回で振り返った内容は、あくまで自分の軌跡。


旅の目的
ルート
出会い
感想
教訓
次の旅先



これらを振り返り、


「自分は」「自分の」辿った軌跡に意味があった


「意味があった」と最後に言えるよう努力した


と言える。







終わりに。



妻———途中までMBAを全然理解していないことが判明したけど、それでも最後まで応援してくれてありがとう。


第一子———小さいのにアジア中を連れ回してしまって申し訳なかった。「明日はもっと頑張ろう」と鼓舞してくれたのはその笑顔だ。


第二子———この旅の途中で産まれてくれてありがとう。しかしスペインでは一緒に生活できず申し訳なかった。


両親と妹———いまだにMBAをよくわかってないようだけど、とにかく応援してくれてありがとう。


「義兄弟」(CEO、COO)———チャレンジングな構想に感謝。お二人の器量と人物像にさらに感謝。来年から対等な経営者になれるよう精進します。


同級生Aさん、ベルギー人J、インド人D−−−一緒に働くと決断してくれてありがとう。皆に恥じないリーダーになりたいと思います。


同級生Mさん、香港の日本人の皆さん−−−良き友人、良き相談相手になってくれてありがとうございます。なんだかんだ自分は皆さんにガス抜きされていたと思います。


応援していただいた、日本・香港の諸先輩方、HKUST同級生、世界各国に散っている友人、IEの同級生、後輩達に改めて感謝します。








ようやく1年半にわたる一つの旅が終了。


今は乗り継ぎ便を待っている。



休まず、くたくたになるほどいろいろな場所を回った。


いろいろな旅人と出会ったし、いろいろな困難にも向かった。


・・・と浸る間もなく、次の旅先はもう自分を待ち構えている。



次の旅はもっといい旅にしよう。



いつかアジアのどこかでお会いしましょう!!!







アジアの若きエリート達との日々 完











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MBAという旅の終焉(2/3)

●多国籍集団でのリーダーシップの発揮
●コミュニケーション力の向上

これらは、日々のグループワークや授業中のディスカッションのなかで徐々に慣れていった。


MBA生活全体(HKUST、IE)を通じて、50名強の異なる学生とチームを組んだ計算になる。
選択科目は同じ人と2回同じチームに入らないようにして、チーム内のコミュニケーションは毎回振り出しからスタート、という環境に自分を置くことにした。



実際、コミュニケーション上のあらゆる課題を経験したと思う。


言語レベルの問題

文化による頻度の違い

背景による解釈の問題

優先順位が合わないことによる摩擦

姿勢の差

嗜好の差

etc.,




ターニングポイントは、
●HKUSTの友人達とのProject X
であった。


HKUSTの学生6名でチームをつくり、私が勤務する予定のファームでのプロジェクトを行った。
アジア圏全体を対象としたある企業の参入戦略構築支援。
Diversity、土地勘、仮説のコンビネーションは威力を発揮した。


プロフェッショナルな多国籍集団で働くのはやはり楽しい、と確信した時であった。


また、リアルなビジネスにおいて、様々な国籍・バックグラウンドのチームのリーダーとして働くのもできるじゃないか、と自信を持ったのもこの時期。





Diversityの一部として自分も機能する日々のなかで、Globalizationというものを具体的にイメージすることができるようになった。


MBAに来る前はGlobalizationという言葉をリアリティを持ってイメージすることができなかった。
海外で英語でビジネスをやること、くらいの印象ではなかったか。



しかし、今は違う。
特に優れた友人達は、相手がどんなバックグラウンドであっても、どんなテーマでもきちんと意見を持ち、相手に説得力をもって伝える。
こうした優れた友人達と伍すること、これがGlobalizationの自分なりの定義となり、原風景となった。



今後自分はビジネスに戻る。
目標とする視座の高さは、上記Globalizationの定義に合わせていきたい。


アジアの経営者としてのあるべき姿。
これを描くのに優秀な友人達は素晴らしい触媒となってくれたと思う。



また、日本人であることをポジティブに解釈できるようになった。
顔のない「のっぺらぼう」のグローバル人などいない。
文化や思想が背景にあって誰もが個性を持ち、それを大切にしたうえで、人との「違い」を前提に接することが肝心。


自分は、日本人のグローバル人である。
日本人の良さというものを捨てて、何者でもない何かになってはいけない。
日本人の良さは世界に通じる。
その個性は十二分に活かそう。





中国語学習は反省せざるを得ない。

●北京語源大学への短期留学
の半分以上の理由は「思ったより勉強しなかった」ことに対する反省であった。



MBA生活を通じて中国語は上達したにはしただろうが、その程度が問題。
中国生活時代の「貯金」でかわしてしまう自分がいる。
どう甘く評価しても当初の自分の目標には達していないので、来年以降も学習に取り組む事に決めた。



北京の世界各国の学生達と話し、世界を旅して、中国語は自分が思っていたよりももっと注目されているようだと分かり、それは大きな収穫だった。
アジア圏以外の人が見ているのは中国単体ではなく、Greater China Regionである。
アジアビジネス=「中国人+華僑との恊働」、と捉えれば中国語はやはり避けて通れない。



華僑であればあまり中国語が上手くない人もいる。
非英語圏のノンネイティブスピーカーがお互いをフォローしながら英語でコミュニケーションを取るような場面が、華僑と自分との間でも起きるだろう。


英語で起きている「Globish」の浸透が、中国語に起きる時代も到来すると思う。
インターン中に中国人、香港人、自分が混じり、中国語でやりとりをした。
中国人COOとのメール・資料のやり取りは中国語であるが、自分の言語レベルでの不足は補ってもらう形となっている。
中国人が僕らのレベルに気を使いながら、僕らと中国語でコミュニケーションを取る。


英語がアジアにより一層浸透する動きがあるので、だからこれからは英語でいいのだ、というのは短絡的だと思う。
Globalizationの進展はローカル化の深化に繋がる。
中国語ができて初めてアジアのGlobalizationの真の波に乗れる、と自分は信じて精進することとしたい。





MBAの中盤〜後半は、周囲の影響を受け、興味・関心の領域が休息に広がった。

● ソーシャルメディア
● Strategic Negotiation
● Mobile Marketing
● ラテン社会
● 世界の抱える課題
● マクロ経済
● Wealth Management
● Scenario Planning
● Innovation Management


MBAに入る前は「ふーん」と脇に置いてしまいそうな話題であった。
どうやら新しい環境で、いろんな関心を持った人と出会い、影響を受けていたようだ。




世界の抱える課題———資源問題、環境問題、ジェンダー問題、格差問題、高齢化問題、都市化問題・・・。
MBAに来てから特に重要視するようになった点かもしれない。
学生の間でも話題に上るし、この手のセミナー・セッションは多い。



課題は複雑に入り組んでいる。
しかし大胆に「もしもこれが解決できたならば・・・」とシナリオプランニング的に考えるといくつかの課題が解決の方向に向かうような気もしている。
実際自分はそれを専門として解決に向けて取り組んでいるわけではないので、おそらく相当に甘い認識なのだろうが。



一つ言えるのは、少しでも解決に向かって動ける時は動く、という姿勢が必要だと思う。
小さな動きでいいし、どんなモチベーション(例:自己愛)でもいい。
とにかく解決の方向に歩き出すこと。
一人一人がやれば違う未来があると思っている。



もう一つ。
上に挙げた課題のなかで、自分が最も難しい課題と思っているのは「格差問題」である。
この課題の本質的な論点は「人は欲をどこまで捨てられるか?」であると思っている。
他の課題の解決が大なり小なり人類全体の富を増やす方向に振れるのに対して、格差問題の解決は「持つ側」の人々の富を減らす。
所得再配分が人類規模で起きるためには我々の価値観が大きく変わらないといけない。
しかし、それはほぼ実現不可能に思えてしまう。


たいした時間考えたわけでもないが、自分なりに頭を使ってみて、格差問題の解決策の糸口はいまだに見えない。
少しでも解決できるなら良い、というのなら手はあるが、おそらくその規模では済まないところまで世界は来ているのではないだろうか。





(続く)





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MBAという旅の終焉(1/3)

It’s a mixed feeling of delight to be back to real life as well as that of missing the student life.

In totality, I think it has been an immensely memorable experience that I would cherish for my entire life.


ブログの最後を迎える日が来た。


スペイン・マドリードのIEビジネススクールの最終週も終了。
IEの成績は卒業要件を満たしてくれたので、正直ほっとしている。


HKUSTは交換留学に出る生徒全員に、ある一定の成績を持ち帰ってくることを義務づけている。
イメージで言うと「平均B超の成績を持って帰ってこなかったら卒業は見送り」である。
特にIEは成績の分布が厳しく、Bを超える(B+〜A)成績は上位4割の学生のみがもらえる。


多くの交換留学生にそのような縛りがないなか、自分も含め交換留学生の何名かはこれを常に気にしてスペインでの日々を過ごした。
新たなことを学ぶべく自分の得意分野と全く関係ない授業ばかりを取ってしまった後、IEの厳しい成績分布を知り、若干後悔した。


結果的にはIEでは平均してB+(HKUSTではA-に該当)くらいの成績だったので、それを知った日は祝杯を挙げた。






2011年6月から2012年11月末まで、約1年半にわたるMBA生活を記録し続けてきた。
この期間、多くの読者の方々から応援の声、励ましの声をいただいた。
改めて感謝させていただきたい。





ブログの最初では、MBA生活を通じて以下のような目標設定をしていた。



■Greater Chinaの第一線で活躍する人材になるための修養プロセス

—多国籍環境下における自己表現力、コミュニケーション力の向上
—国・文化の違いを超えてリーダーシップを発揮する訓練
—中華圏・アジアのビジネス知識の強化・補完




常にこの目標は頭のなかにあり、出会う人出会う人に「Why HKUST?」を聞かれるたびに、上記目標と絡めて留学を決断した理由を語ってきた。



自分で言うのもなんだが、この目標に向けて努力をしたことだけは誇れる。



実際、どのくらい血肉になったのかは分からない。

この半年くらいはビジネス半分、学生半分という動きをしてきたが、血肉になっていると思う部分も、そう感じられない部分もある、というのが正直なところだ。
しかし血肉への転換が感じられない部分は再び振り返ればいい、人生は学習の連続と思えば。





目標に関連して留学生活の前半に、

● 日本企業のアジア経営のあり方

について日本人同級生Aさんと共同で仮説をつくり、討論し、ファクト・事例を集める、という作業をやった。


私が中国でのコンサルティングを通じて出会った課題、抱いていた悩みを持ちこんだ。
今や、彼は事業投資会社の東京オフィスで一足早く働いている。
この日々はお互いの志を知り、信頼を高めたとともに、アジアでの経営、日本企業の特性を(再)認識するよいきっかけとなった。
そして日本企業のアジア経営のあり方に対する方向性は前よりも見えるようになった。




同じく目標達成の一環という位置付けで、

● 米国人華僑の中国ビジネスのスタートアップ支援
● タイ人C・中国人Cの中国市場向けオンラインビジネスの戦略構築支援
● PEコンペティションのアドバイザリー業務

に関与した。



米国華僑の彼は、中国人Cと組み、MBA生活を計画的に中断している。
彼らはこの数ヶ月の間に中国と米国を行ったり来たりして、ついにビジネスを立ち上げた。
産んだ後に大きくするステージに現在は差し掛かっている。
米国人華僑とはいまでも連絡を取っているが、ベンチャーの苦しみと喜びと両方が行間に読み取れる。





授業で学ぶことは補完的なものもあれば、ゼロに近い状態から学ぶこともあった。

科目そのものが中華圏・アジア圏に直結する内容のものもあれば、普遍的な内容であるもののケーススタディ・事例がアジアフォーカスという科目もあった。





MBA生活の序盤は必修科目が多いという理由もあったからか、周囲の環境のなかで学べるものを探していた記憶がある。


一方、MBA生活の中盤〜後半は、自分が学べる環境に自ら行く、という姿勢にシフトした感がある。






大きな志の変化、環境の変化はMBA生活の序盤〜中盤で既に起きた。

■中華圏の経営者になる*
■MBAは経営者教育である
*諸事情により、ブログに公開できたのは半年後となった

とブログに記録したり、思ったりしていたのだが、それらは入学前の自分だったら言わないようなことであった。


自然な変化には違いないが、大きな変化であった。




それからは、

●自分がアジアの経営者だったら、この場面で本当の本当はどうするか?
●自分が中華圏の経営者として足りないものは何か?

と何かにつけ立ち止まり、自己問答するようになった。




膨大な数のケーススタディで悩んだことは、今でもほぼ全て反芻できる。
そのくらい、ケーススタディは経営者の悩みの固まりでできていて、共感できた。


切れ味のよい発言かどうかよりも、経営者の本当の悩みをリアルに想像して発言しているかどうか。
これが、自分なりのMBA学生の「質」の測定基準となった。




特にリーダーシップ系の授業は、真剣そのもので受けることとなった。
冷静に、かつ、体系だって学べるのは今しかないかもしれない。


他の学生にとっては抽象的な内容だったかもしれない。
しかし近い将来自分の身に起きるかもしれない事なので、自分に取っては全てが具体論であった。


異常な環境下で「リーダーとしてどう決断するか?」といった問いには、答えが出せないこともしばしば。
もちろん綺麗事は言えるが、実際はそんなに単純ではない。
授業後に教授に何度も議論を挑んだ。





経営者として足りないものは多すぎたため、とりあえずできることからやろうと開き直った。


知識・論点の学習という点では、これは生涯学習と捉えた方がよいというのが自分の結論。
戦略、技術、マネジメント、ファイナンス、マーケティング、リーダーシップ、オペレーション、中華圏ビジネス−−−分野は多岐にわたった。



でも全てを学んだわけじゃないし、全てが十分だったわけでもない。


MBAはそれらを全て学ばなくてはいけない場ではなく、

その一部を深く確実に学び、

またなるべく広く多くの論点を抑えておく、


これが正しい気がした。



(続く)




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未来に向けての抱負

2013年1月から香港にて働くことになる。
実際は今年6月のインターン以降はずいぶん働いているが。


中華圏・アジア圏での事業投資。

事業家型投資家であり、基本的にはマジョリティを自分達が持つ。
成長戦略をプロ視点で描くこと、中華圏・アジア圏側の事業を自分達が引き受けること、で事業価値を上げる事を目的とする。


対象市場は現在は中国、日本。
来年〜再来年からは台湾、華僑の多い東南アジアの国々も視野に入れる予定である。



ファンドからコングロマリットへとシフト。

アービトラージアプローチから、シナジーアプローチへと軸足を移してきている。
それに伴い、収入源は会社の売買差益ではなく、事業利益がメインとなる。
収入はフロー型からストック型へ。
ファンドの早期償還を成し、多くは再投資をしてくれており、今は通常の株主の形での関与となっている。
資本コストは下がり、利益追求の時間軸はさらに長くなった。



アジアの証券市場での上場を進めている。
上場益も一つの収入となる。

この半年近く自分も上場のお手伝いをしてきたが、しばらくこれは続くことになりそうだ。
アジアでの上場作業はとても大変ではあるが、それに見合う熱と興奮がある。
これを実現させ、投資家をアジア中に広げる。



Headquarterの香港オフィスはグローバル化が進行している。
英語を公用語として、広東語、中国語、日本語、韓国語が飛び交っている。
ベルギー人Jとインド人Dが1月から加わり、Diversityは更に高まる。
戦略のプロと投資のプロは今後も増やしていく。


東京オフィス、上海オフィスはローカル化に徹している。
現地主義と権限委譲の程度は、日本企業では見かけた事のないレベルでやっている。
しかし、それは世界的に見れば当たり前であり、日本企業のあり方がむしろ非常識であると私は信じて疑っていない。




お誘いは強烈だった。

CEO「私は三国志が好きでして。」

「自分は「勝ちを取りに行く」劉備と言えるでしょう。人の言うことを聞きます。自分が足りない部分は良く知っていますから。しかし、躊躇するのが劉備の良くない部分ですが、それは自分にはないです。」

「中国人COOは張飛。彼の実行力は凄い。任せておければ、軍を率いて戦で勝って凱旋してくるでしょう。」

「我々はますます大きくなろうとしています。これからのステージでは大局を見据えて軍全体を率いていかなくてはいけません。そのためには戦略を練る軍師がいなくてはいけません。」

「我々の諸葛孔明になってくれませんか」

「今日は三顧の礼の一環だと思ってください。つまり、仮に断られても絶対に諦めないということです。」


これだけ成功を積み重ねてきた豪腕投資家が、20歳も年下の自分に対してここまで謙って誘ってきたことに心底驚いた。
感謝とかより前に、思わずその驚きが質問という形で口から出てしまった。


自分「、、、なぜこのようなことができるんですか。自分が50歳になり、投資家として成功していたとしたら、30歳の若造に任せようと思う事は間違いなくないと思います。相談には乗りましたが、仕事を一緒にしたわけでもないですし。」


真剣な表情を崩さないCEO。

「単純な理由です。これまで観察していました。××さんは人が持ってないものを持っています。自分ももちろん持っていません。」


条件は二の次で参画を承諾した。
お誘いのタイミング、内容にもびっくりしたが、時計を見ると僅か数分で全てが終わっていたことにさらに驚いた。



もともと彼の夢には共感していた。
冒頭で述べたようなコングロマリットの創成。
アジアでの上場、多国籍集団を香港を中心につくる。
単なるコストカット、会社売買で儲ける投資ファンドだったら自分は入らなかったはずだが、彼のチャレンジングな構想、投資先と協調して大きくしていくという考えはしっくり来た。


自分は笑いながら、楽しい事を、そして意義のあることをやっていたい。
高尚な志を持ち、その実現に向けて動く人達と人生の一部を共有して過ごしたい。
確かにおカネは重要ではある。
綺麗ごとだけでは生きられないし、そんな聖人ではない。
でもそれなりに暮らせるなら、経済性以外の要求を仕事につきつけてもいいのではないかと思う。
アジアのため、日本のため「だけ」に身を粉にして働くつもりは毛頭ないけど、貢献できるような何かには関係していたいと思う。


出会ったことのないタイプであるCEO、COO。
先日ブログで書いたFさんに対してはリーダーとしての強い尊敬を抱いていたが、それを上回るレベルの尊敬ができる人達である。
日本人にはいないタイプの人達。


チャレンジングな構想と魅力的な人々。
その2つに出会えたのが自分の運の良さ。



いつからか「義兄弟」と呼ばれるようになった。
アジアのファミリービジネスの要素がある。
個人間の信頼をコングロマリットの形成の基礎に置くというのがCEOの考え。
COOは中国人なので、個人の信頼がないと何も始まらないという点では同じ考えのようだ。
こうして、お互いに離れていても同じ思想のもとに動けることになる。


CEOは信じられないくらい全てを自分にさらけ出す。
自分の持っている物は何でも使ってほしいと言ってくる。
「信頼して欲しいなら、まず相手を信頼する」
この原則を地でいくような人である。



「これは後継者育成の始まりです」
とも言われている。
ある時期が来たら綺麗に身を引きたいと。
「まだまだ××さんには足りない部分があるから、それは身につけていってください」
自分にとっての真の報酬の多くは、彼らの教育であることに疑いの余地はない。



一生に一度のチャンスと思っている。
この人々とこの構想の下で、権限を持って自由に動けるのは幸せである。

そして、アジアの経営者としての一歩目を踏み出すことに躊躇はない。
これまでやってきたことーーーMBA、経営コンサルティング、起業———を思いっきりぶつけてみよう。
人生は一度しかないのだから。





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自分のリーダーシップ特性

「リーダーシップを一方的に教えることはできないが、リーダーシップは学ぶことができる」


一瞬、「ん?」と思うような言葉。
リーダーシップ系の何人かの教授が大なり小なり似たようなことを最初の授業で言う。


「リーダーシップとは、様々な糧を活用して「自分で」学んでいくもの」
これが言わんとしていることだ。



MBA全体を通じて、リーダーシップというものを考えさせられる機会は多い。
ケーススタディのなかでも、経営者としてのリーダーシップがIssueになることは多い。
また、リーダーシップ系の授業もいくつもあるため、以前のブログで書いたようにMBAに来てリーダーシップは学問として確立した分野の一つであるということに疑いの余地はない。
こうした材料をもとに、自分なりにその事象を捉え、想像し、自分ならどうするか?を考えていく。



全てが潜在的には糧となるものの、

「それを糧として何かを学ぼうとするか、それとも聞き流すか、によって結果はだいぶ変わってくる」

というのが冒頭の言葉の真意であろう。




あと2ヶ月も経たないうちに、自分もリーダーとして機能することを求められる。
既に多くの業務のなかに組み込まれ始めているのだが、それは情報共有の意味合いが強く、まだ本格的な勤務ではない。
しかしその日はもう目の前に迫っている。




ここに来て、リーダーシップという言葉を強く意識するようになっている。


改めて過去に授業中に受けたリーダーシップタイプ診断テストを見たり、レクチャーを振り返ったりしている。
あの頃は抽象的なことにしか見えなかったことも、今は近い将来の仕事というレンズを通じて、よりクリアに頭に入るようになってきた。


リーダーシップ系の授業は5つほど選択していたことに気付く。


■Maximizing Your Leadership(A-)
自分のリーダーシップタイプを詳細に理解した。
リーダーシップを構成する要素を体系的に把握し、自分、そして他人のリーダーシップの発揮と自分の関係のあり方を学んだ。

■ Managerial Communication (A)
リーダーとしてのコミュニケーションのあり方、利害関係者との適切な「距離」の取り方を学んだ

■ Responsible Leadership (Pass)
種々の「きわどい」状況でリーダーとしてどう決断すべきかを学んだ。

■Irrational and Rational Thinking and Judgment in Management(A-)
「心理」がリーダーシップに与える影響と予防策を学んだ。

■ Blooming Your Talent and That of Others (B+)
心理学の教授の誘導尋問から、自分のリーダーシップを構成する原点、原風景を発見した。


MBA全体を通じて25〜26個の授業を取っているはずなので、5分の1近くをリーダーシップ系の授業が占めていたことになる。
そして分野という括りで見ると、成績も悪くはなかったことに改めて気付いた。




学んだことは大雑把に言えば4つ。

己を知る
 ーリーダーとしての自分を良く知ること

己を統制する
 ー自分の個性を考慮して、危険な判断・行動に陥りうる場面を特定、それを予防すること

他者と関係をつくる
 ー他者との関係を最適化すること、そのためのコミュニケーションを工夫すること

未来に向けて伸ばす
 ー個性を大切にしながら、期待役割を念頭に置きつつ、自分のリーダーシップを成長させていくこと



これらの授業を取ったうえで、過去に出会った先輩方を分析するのは面白かった。
特に、もしも事前に「統制する」を彼が学んでいたら違った未来があっただろうに、、、というような分析結果が多い。
リーダーとしての成功は「己を知る」「他者と関係をつくる」「未来に向けて伸ばす」に依るのだろうが、リーダーとしての失敗の多くは「己を統制する」に致命的な欠陥があることが多いように感じる。




さて、他人のことばかり言うと卑怯になるので、安全地帯から出るべく、授業を通じて理解した自分のリーダーシップの「弱み」をここに書いてみよう。
いくつかの診断された結果を紹介してみたい。
自分を良く知っている人が見たら、良く当たっていると思い吹き出すだろうか?(Feedbackが欲しいものである)



(私のリーダーシップ特性 「弱み」部分の抜粋)


■ 理想は極めて高く、結果を出すために自ら積極的に動いていく。そのためか、同じ価値観と優先順位を共有できない他人に対して不満を持つ。

■ どの状況でも変わらず、動じないが、それが度を超えると横柄に見えてしまう。

■ 断固として意思決定をする。しかしハイリスクなことにも手を出していき、周囲は怖いと思う事もある。

■ クリエイティブでアクティブな心理が、コミュニケーションレベルを下げてしまう時がある。

■ 周囲の人間には理解しにくい形での本心の吐露が時折現れるが、殆どの人間には気付かれていない。

■ 核心を突いてなかったり、回りくどかったりすると、他者の話に対する興味を急激に失う。


・・・・・


特に「痛い」部分を翻訳して書いてみた。
かなり個人的な、かつ恥部に違いないので躊躇いはあったが。



様々な診断結果には淡々と辛口コメントが並んでおり、見ていると本当に笑えてくる。
自分の友人でも「俺はこんな人間じゃない!」とあまりにもショックを受けてしまったため、診断テストを受け直した人さえいる。
しかし、そういう場合は大抵図星である可能性が高い。


どんな人間が受けても「強み」が並ぶのと同時に、必ず「痛い」分析結果が並ぶようにできている。
完璧なリーダーなどいないということか。



さて、上記のリーダーシップ特性の弱み分野のおさらい。
これらに共通するのは「Intrapersonal」要素が強いということである。
仮説思考で突っ走るのも、その要素に密接に関連がある。



MBAに来る前は「それは個性だ」で片付けてしまっていたけれど、さすがにいろいろ学んだ今となってはそれも課題と捉えることに決めている。



実際、次の仕事の環境を見るに、リーダーシップが事業価値に与える影響が予想以上に多そうなことが分かってきた。
私の日本人同級生Aさんは東京オフィスで一足早く働いているのだが、経営陣のリーダーシップによって大きく事業価値は変わるという確信を持っている、という趣旨のことを言っている。



この課題も正対する価値がありそうだ。


韓国人CEO、中国人COOは「超」強烈、かつ全然違うタイプのリーダーである。
そして私も違うタイプである。


自分のリーダーシップ特性
事業投資会社の事業特性
身近な顔ぶれ

から導かれる対自分の期待役割は、今の自分像とは少し違う。


Authentic Leaderになるための格闘の日々が待っているようである。






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プロフィール
中華圏をこよなく愛する日本人。HKUST(香港科学技術大学)のMBAに2011年より参加。

Author:takkaw

アジアトップスクールの一つであるHKUSTのMBAに集まる世界中の若き有志達。彼らの素顔や夢、「場」で生じる化学反応を、彼らと共に歩む一人の日本人の目線を通じて紹介します。
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